風のたより
[ ストーリー ]
2017.06.16

家と町のはなし


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今の家に引っ越してきてもうすぐ一年が経つ。

 
家から徒歩5分圏内にポツポツとお店が立ち並ぶ。
大学が近いから安くてボリュームのある食堂が何件もあって、
コロッケの美味しいお肉屋さん、魚屋さん、ラーメン屋さん、
居酒屋さん、ビストロがある。そしていつも賑わっている銭湯。
小学校も近いのでファミリー層も多く平和な町に住んでいる。

 
私にとって人生で初めての一軒家にすんでいて
土壁のちょっぴりぼろい町家。

 
二階の窓をあけると土手の階段が目の前で
いつもそこに猫の家族がくつろいでこっちを見ている。

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「やぁ」と声をかけても返事はしないし、近づいたら逃げてしまう。

 
春、家の周りの桜たちはたくさん花を咲かせた。
でも、それより先に家の真ん前の大きな大きな木が花を咲かせていた。
桃かな?梅かな?分からなかった。

 
特に気にせず日々を過ごして桜も散ってしばらくして大きな木には実がついていた。
緑の丸い実 あーなんだろう。

 
またそれから時間がすぎて5月の半ば
家を出てこつっ、何かを蹴った。
ぷちっ、何かをふんだ。
甘い甘い匂いが広がる。

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足元をみると、オレンジ色の実が一面に広がっていた。
綺麗な実をふいて皮をめくって一口噛んでみた
甘酸っぱい。これは梅…?

 
ちょうど隣のおばあさんがでてきて、
これが梅だと教えてくれた。誰も手入れしていない木だから、
緑の時に落ちてきたのを拾って漬けたらいいよと教えてくれた。

 
好きな映画の中に、家の庭の木の梅を家族で収穫していたシーンがあり、
いつかやりたいと思っていたし、これはとても良いことを聞いた。
でも、まだまだ一年またなくてはならない。
一年後忘れていませんように。

 
いろんな発見があって
楽しくてとても居心地の良い住みよい町。

 
住みだしてもう一年
まだまだ一年
予定ではあと一年お世話になる予定。
これからもよろしく、町、家。

 
ひとつだけ言うとしたら、次は部屋が斜めになってないところにすみたい、かな。

(サカモト)


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