真夜中24:30発の飛行機に乗って、タイに飛び立った。
バンコクに着いて一泊目の夜に飲んだビールの味は
今でもはっきり覚えている。
これからどんなことが待ち受けているのか、
ワクワクしすぎて、楽しみすぎて、ビールは喉どころか身体中にしみわたった。
自由。
何の予定も決めていない旅だったから、
小さな選択の連続だった。
どこの町に行くか、
いつ行くか、
何で行くか、
何をするか、
何を食べるか。
・・・
今までの常識を覆されるできごともたくさんあった。
電気のない村もあった。
イスラム圏の人には、「あなたはなぜイスラム教じゃないのか」と本気で質問された。
チベットの奥地で、現地の人が英語を話せないことに怒っているアメリカ人もいた。
バスを降りようとしたら、「もうお金は払ってもらってるよ」と
いつの間にか、誰かが私たちのバス代を支払ってくれていたこともあった。
別のバスでは、私たちが行くところまで
一緒にバスに乗って案内してくれた人もいた。自分が乗るバスとは方向が違うのに!
生涯の友達にも出会った。
どれほどの人にお世話になったのだろう。
4年の旅を経て、今は奈良に住んでいるけれど、
新しい景色はどこにいたって見られる。
むしろ、自分次第なんだなということに気づいた。
人はいつでも、どこでも、自由になれる。
私が死ぬまでに出会える人なんて、世界中の人のほんの一握りの一握りの一握り。
こんなご縁で出会っているのだから、
それがどこでの出会いでも、
できる限り大切にしたいと思う。
まずは目の前の人から。
(ミヤガワ ミ)