風の便り
2020.05.01 日々

はじまったのは、新しい『日々』

前回この「日々」を書いたのは、3月6日。
あのときから、私の「日々」は変わってしまった。
 
お出かけができない。
人に会えない。
 
この2つができなくなったことが、こんなにも私の生活や価値観を変えてしまうなんて…。

お休みになると私はいつも「どこにいこう?誰と会おう?」と考えていた。行きたいところや会いたい人が多すぎて人生がいくらあっても足りない!とずっと思っていた。それが、いきなりできなくなってしまった。いきなりガラガラっとシャッターを閉められて暗い倉庫に閉じ込められたような感覚。
 
お店も臨時休業にはいって、お客さまと会うことができなくなった。
直接顔をみながら話すことができない。
お客さまにとっても、お店に行く「体験」ができなくなってしまった。


 
「不安」や「寂しい」という気持ち。
いつもは押し殺しているけれど、やっぱりポッと出てきて自分のこころが支配されそうになることもある。

なくなったものは大きくて、経験したことないことだからいまだに信じられないし予測できないこともたくさんある。
 
ぽっかりと空いた穴。でも、最近はそこに新しい『日々』が追加されるようになった。
 
花を活けること。
お茶を淹れること。
3食しっかりつくること。
掃除を毎日やること。
散歩しながら季節の移ろいを感じること。
大きく深呼吸をすること。
 
どれも、ずっとせかせかしてやってきたことだった。それが、今はたっぷり時間を取れるようになって、気持ちのゆとりもできたからか、同じことをやっているのにそこから新しい景色が見えるようになった。いのち、色、かたち、音、におい…五感をつかって感じるようになってきた。日常で見ている新しい景色の一つひとつに、敏感に、私の心は動きはじめている。

と同時に気づいたのは、私は今まで、自分を忙しくさせていただけだったのだなということ。足元に色々な輝きがこぼれ落ちているのに、それを見ずに先ばっかりを見ていて今までずっとやってきてしまったんだな…と。
 
「コロナ前」「コロナ後」の議論がよくされているけれど、もう前には戻れないと思う。かといって、先のことを考えようとしても不確定なことが多すぎて頭がパンクしそうだ。
 
私は、『今』を生きたいと思う。明日、世界がどうなるか分からないから、今、向き合っていることや関わっている人、そこに気持ちを全身全霊で「込める」。そうすることで少しずつ、私の中での豊かさ指数を溜めていきたいし、この限られた『日々』を、どんどんどんどんアップデートしていきたい。
 

 
 
深く深く潜った先にはきっと、新しい日々、新しい未来が待っている。
 
 

 

(マツシタ)


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