風の便り
2021.01.14 おはなし

根っこの思い vol.3 -ひざっこパンツの誕生秘話-

風の栖ができてから20年。
 
「この空間に気持ちいい風が吹いてほしい」という思いから、オーナー 村上はお店を開きました。
最初はセレクトした洋服、雑貨やカフェからはじめ、やがてNAOTの靴が中心になってきました。NAOTは5年前に店舗として独立。それと同時に、オリジナルの洋服を本格的に作り出して、少しずつではありますが新しい風の栖のことを知ってもらえる機会も増えてきました。
 
そこでこのタイミングでもう一度、基本に立ち返りたい。
風の栖として大切にしたいことや伝えていきたいことを再確認しよう。
そんな動機から始まったのがこの新連載、村上が語る「根っこの思い」です。
 

 

洋服をつくるときには機能性を大事にしています。
 
パンツなら、膝を自由に曲げることができるもの。
股上が長くて座っても引きずられなくて、ストレスなく履けるもの。
そんな洋服があったらいいなから生まれたのが『ひざっこパンツ』です。
 

 
以前は、膝が伸びないパンツが多かったのです。
腰ばきのジーンズにロンパース風のシャツを合わせたファッションもありました。ただ、実際はきつくて..。立ったり座ったりすることが苦しかったのを覚えています。

 

幅広パンツなどヒッピー風のファッションが流行った時代もありました。
丈が長かったので階段で引っかかったりと転びそうになったり、危ない体験もしましたね。
どんなにかっこいいものでも、痩せ我慢のファッションは私には無理でした。
 
そういうものを経験していくと、「必要なものは流行ではない」と気づいたのです。

また、風の栖でNAOTの靴を取り扱うようになってから、接客で「しゃがむ」行為が多くなり、ますますパンツへの要望が高まりました。
 

 
靴の接客ではお客さんに靴を履いてもらうとき、地面に片膝をついてしゃがんだり立ったりと上下運動を繰り返します。
また、大きな箱を抱えて移動したり、階段の登り降りもします。
 
そんな場面でいくら動き回っても腰や膝に負担にならないようなパンツが欲しい!という声があがりました。
そこから、私がもともと好きだったパンツの形をヒントにひざっこパンツを作りました。
 
ひざっこスリムパンツやひざっこパンツロング..形は少しずつ増やしていきましたが、
一番のこだわりはこの特徴的なシルエットですね。
膝がポコンと出ているので自由に曲げることができる。
さらに膝が出ているおかげで前から見たシルエットが広がりすぎないようスッキリと見えるようになっています。
 
また、裾を引きずらないよう丈もあえて少し短めにしていることもポイントです。
足首がちらりと見えることでバランスがきれいに出るようにしているので、素足にサンダルで細く見せてもいいですし、色や柄の靴下を差し色にしたコーディネートで楽しむこともできる。バルーンスカート風のかわいらしさも◎

こうしてひざっこパンツは機能性だけではなく、見た目にもこだわりをちりばめているのです。
 
何より、腰回りがゴムなのはやっぱり楽でいいですよね。
いくらでも食べれますし、食いしん坊さんにぴったりなパンツです。笑

ゴムはあえて3本にしているのですが、それは1本だけだと履いているうちにぐるぐると回ってしまったり折れることがあるのでそれを防ぐためです。
また、1本だと腰回りのシルエットが強調されて太く見えることがあるのですが、3本にするとギャザーがふんわりときれいに出る。
長く使ってほしい気持ちから、通し穴も開けて使う人が自分の好みや体型によってゆるめたりきつめたりと調整できるようにしています。
 

 
一番は、このパンツを履く人が、安全で安心できるようなものをお届けしたい。
そんな気持ちが根っこにはあります。
 
最近はなかなか遠出が出来ていないのですが、私はもともと旅をすることが大好き。休みの度に国内や海外へよく行きましたが、旅のお供には必ずひざっこパンツを連れていきますね。
長時間ドライブしても飛行機に乗っても苦にならない。たくさん歩いても気持ちよく過ごせるパンツです。
そうそう、数年前フランスへ旅したときに「素敵なパンツね!」て褒められたんですよ。
 

 
お客さんの中には、結婚式に出席するときにひざっこパンツを履く人がいました。素材を変えたらハレの日だっていくらでもファッショナブルに着れるんです。
 
最近では嬉しいことに、若い世代にも履いていただくことが多くなりました。日々、「こんな色が欲しい」「こんな素材があったら嬉しい!」などフレッシュな意見をたくさんもらえるので、新しい発見になります。

これからは若い感性も取り入れて、新しいひざっこパンツを出していけたらいいなと思っています。
 

 

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(ムラカミ)

 
 

【番外編】 編集後記
ひざっこパンツの話が始まると、話題は尽きませんでした。村上は当時のことを思い出しながら色々語ってくれましたが、その目が少女のようにキラキラしていることが印象的でした。風の栖の洋服全般に言えることですが、これからもひざっこパンツは生地・形・色や柄..色んな人の意見を取り入れて行く中でますます進化していくのだろうと。そう考えると、ワクワクな気持ちが伝播しましたし、そもそもこの話は私だけ聞くのは大変もったいないので(笑)、今後はインスタライブのゆるりトークライブでもご紹介していきたいなと思っています。お楽しみに!

(マツシタ)

 
*他の記事はこちら!
 
vol.1 -祖母から母、そして私へ。- 

 
vol.2 -風の栖の洋服に込めた思い- 

 


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